ユダヤ人(3)ハザールユダヤ否定論

失われた10支族とは全く関係ないところからユダヤ人?ハザール王国ってなに?アーサー・ケストラー著、宇野正美先生が訳した「ユダヤ人とは誰か 第13支族・カザール帝国の謎」がどうやらユダヤ陰謀論の原点のようです。

高原先生は、「ユダヤ=カザール人説の嘘を斬る」として、ハザールユダヤ人説を唱えるケストラーを真っ向から否定しておいででした。

ケストラーの説は、根拠となる学術的文献がほぼないに等しい、ということが理由です。

アーサー・ケストラーが書いた本の内容は歴史的に、アカデミズムでは証明されていない、とのこと。

カザール王国は7-10世紀に実在。国民はトルコ系。

王はユダヤ教に改宗し、国民にユダヤ教の改宗を強制。キリスト教とイスラム教に挟まれた苦しい状況から逃れるため、との説を否定。

10世紀にロシアとモンゴルに攻められて消滅したのは事実。どこに行った?そのままロシアに逃げ・・・・

・そののち西のヨーロッパに流れ込んだのがこのアシュケナジーユダヤ人だ、という考えを否定。

・カザール人がカザールのことについて書かれた文献がない。

・言語学的にもおかしい。ハザール人はトルコ系です。アシュケナジーユダヤ人はイーディッシュ語であり、書き言葉はヘブライ語だが、文法はドイツ語。(古事記、日本書紀が漢字だけ、と似ている。)ハザール語はトルコ系のアルタイ語に属し、全く違う。ヨーロッパに入っているハザール人をアシュケナジーユダヤ人というには無理がありすぎる。全くハザール語の気配がない。

学者でないアーサー・ケストラーが書いた「13支族」には種本がある。ダグラス・ダンロップが1967年に出版した「ユダヤ人とカザール人の歴史」である。内容は、ハザール人がユダヤ教に改宗したと書いてあるが、これを理由にカザール人がアシュケナジーユダヤ人であることにはならないという結論を出すために書かれたもの、だと言ってます。

この本の一部を都合よく、しかし、内容を真逆にして書いたものが「13支族」であるという結論を出しています。

ハザール王国が滅亡する遥か前にユダヤ人の大きな共同体があった。AD70頃、ローマ帝国時代に。ローマ皇帝を神として拝まなければならなかったにも関わらず、ユダヤ人だけは例外であったため居心地がよかったため。ユダヤ人は商売人として必要であったため。ユダヤ人は貿易のために様々な国にコロニーを作り、その後ローマ帝国が滅んでも他の国においてもその身分は保証された。アシュケナジーユダヤ人、ローマ系ユダヤ人、クルド系ユダヤ人、北アフリカユダヤ人、イエメン系ユダヤ人、エチオピアユダヤ人、中東ユダヤ人のDNAを調べた結果、共通のDNAが見つけられたが、トルコ系がなかった。アシュケナジーはレバノン周辺のアラブ系のDNAなのである。

よって、ハザール人はアシュケナジーユダヤ人ではない!

まとめ

ハザール人は血統も言語もユダヤ人でない。よってアシュケナジーユダヤ人ではない。